ベトナムの消費者市場について(ハノイに進出する際のプラン)

ベトナムハノイ在住の浅野です。
ハノイを中心に市場リサーチ、日系企業支援、OEM、語学教育事業、日越間貿易を行っています。
ブルーオーシャンなベトナムのハノイについて記事を書いて行きたいと思います。

 

ベトナムの消費者市場について
(ハノイに進出する際のプラン)

 

具体的に今回はハノイに進出することを想定したプランを主観を交えて書いて行きたいと思う。

 

ベトナムはご存知の通り南部の商業都市ホーチミンと北部の首都ハノイが最も有名で経済規模も大きいのだが、その実ホーチミンの方が進出度合いや頻度、件数もハノイ以上であり、進出している企業も多ければ競合企業も多いことで知られる。その見返りとして成功すれば、日本以上の利益率を誇り、規模も満足出来るものになる可能性を秘めている。

 

一方ハノイはまだ2013年に入ってから数軒の新規出店が出て来て、その数軒の中で飲食部門に特化してみると、ハノイ在住者の声として聞くと1,2軒が非常に上手く行っており、その他は今まで通りのあまり特殊性や変化のない店造りをしてしまい、サービスレベルも誇れる訳でなく苦戦を強いられるような気がする。

 

だが、ハノイも人口700万人と言われ、富裕層と呼ばれる数も決して少ない訳でない。
ただ純粋に素晴らしい名店とされる店が存在していないだけである。
名店を目指さなくても、常時満員で大盛況のお店を造ることで資本回収やその後の多店舗展開やFC、あるいは売却も容易に選択出来るのだが、まだまだハノイの実情に詳しい人がサポートしての飲食開業は数が非常に少ない。

 

以前失敗例を見た時に感じたことは
① 経営者の方向性にセグメントがなされていない
② 理想と現実のギャップに気付いていない
③ マーケティングを仕切れていない
④ スタッフを使いこなせていない
⑤ そもそも経営者が経験不足

 

といった日本だと考えられないことが海外だと起こりえるし、起こっている。
広告事業がまだまだ浸透して発展していないこの国では、多少の能力とスキルがあれば費用の有無に問わず広告からの集客は容易である。
要は顧客にリーチしやすく、その効果も生み易いのである。

 

「日本食店舗の出店を」といっても、
① 寿司?ラーメン?居酒屋?焼肉?
② 顧客はベトナム人?欧米人?日本人?旅行者?駐在者?
③ ローカル志向?高級志向?
④ ランチメイン?ディナーメイン?
⑤ 客席数は?目標売上は?

 

当たり前の事業計画が出来なくて、そもそもその計画は失敗に行く可能性が高い。
明確なコンセプトと数字がなくてはまず最初につまずいてしまう。その出店後の希望として、
多店舗展開するのか?あるいは一店舗を成長させて安定させるのか?

 

経営者の意志が明確に、計画が明確になっていないと現場の人間まで影響して来る。

 

例えば今の自分に飲食店の依頼があったとして、「希望売上(数字)」をまず聞いて、そこから「席数」を考えて、物件出店エリアを検討して行くと思う。
顧客対象も重要であるが、出店エリアに関して考えるとあまり辺鄙な場所を選択しないと思うので、ここでは省略する。

 

希望売上500万円の店を作りたいのであれば、1日15万円以上の売上が必要になるのだが、ランチで○○円、ディナーで○○円と想定することは可能だけど、実際は希望の数字の半分を見ておいた方が良い。
良くあるのがオープンしたら希望の客数が全て来ると夢見て、実際は全く客足が伸びない例だ。

 

日本人を対象にするよりは、ベトナム人を対象にしたマーケティングの方がやり易いし、顧客としても多少マナーの点で不満が出て来ることもあるかもしれないが単価が高く、同時に大勢で利用するケースも多い。そしてそこまでお金を使うベトナム人を抱えると、その次にも非常に有利に働く。

 

僅か1万人弱の日本人に愛されるお店を目指すことも良いが、それ以上に700万人のある一定層に指示される店の方が商売としてはやり易い。無理して苦しい道を選択せずとも、強力な現地パートナーを得ればベトナム市場に充分食い込むことは可能だ。

 

「ベトナム人で賑わい、単価の高いお店」
「ベトナム人で賑わい、客層が明確なお店」
「ベトナム人で賑わい、家族連れが多いお店」

 

ちょっと想像して思考をこらせば、何故という理由がすぐ分かるのが現在ベトナムハノイの飲食店である。
そのリサーチを怠って、お金だけ持って来て起業して開店しようとしても持たない。
そうであれば多少の初期費用をかけても、具体的な計画をベトナムと煮詰めてリサーチを行い、勧めて行くに限る。

 

使う人はたくさんいるが、使いたい場所がないのがハノイである。
これは日本人も同じく感じている人が少なくない。

 

お金がなくて安い店に流れるのではなく、お金があるのに使いたい店が出て来ない。
これは珍しいと思う。
それだけ遅れているのがハノイである。

 

逆を言えば、非常に良い機会である。

 

しかし、その事実を知っているのは一部の日本人であり、その多くはハノイ在住者である。
ニュースやネットを見ても、そういった情報はまず出て来ないだろう。

 

飲食関係者で海外志向のある人は、一度ハノイについても考えてみると面白い想定が出来ると思う。

 

と、具体的に書くつもりが幅広く書いてしまった。
次回は一度コンサルをした割烹料理店を開業する前に準備として進めた事項を書いて行きたいと思う。

 

(AGネットサポーター forefront.limited CEO 浅野 彰)

 

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